レポート

「グリーン成長戦略」におけるバイオガスの位置づけ

経済産業省は、2020年12月25日に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。

 

経済産業省ニュースリリース(2020/12/25付)
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました

 

今回新たに策定されたグリーン成長戦略では、菅総理大臣が昨年秋の首相就任にあたっての決意表明で示された「2050年までにCO2排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする」という意向を踏まえた形で、2050年を見据えた方向性やロードマップが示されています。

重要分野として、大きく「エネルギー関連産業」「輸送・製造関連産業」「家庭・オフィス関連産業」の3つにカテゴリー分けをされた合計14の分野が設定されています。

(出典:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業省Webページ)

 

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ごみで電車が走る!(イギリス発News)

イギリスでは、バイオガス中のメタンを濃縮した「バイオメタン」を燃料として走る軽量電車(BRT)が現在開発中で、2021年7月にはお披露目になる予定だそうです。   英デイリーメール紙記事:Trains powered by human waste and discarded food could be introduced to Britain’s railway network under plans to phase out dirty diesel engines 名前は「バイオウルトラ」。なんだか強そうな名前です。 120名が乗車でき、最高時速80kmで走行できるとのこと。 日本ではバイオメタンはほとんど普及していないのですが、水素で動く電車ができるのは時間の問題でしょうね。 バイオガスから効率的に水素を作る技術の開発も進んでいくことが期待されますね。 (さらに…)

家畜ふん尿向け小規模乾式バイオガス装置

エア・ウォーター株式会社は、このたびグループのエア・ウォーター北海道株式会社が帯広畜産大学らと共同で小規模酪農家向け乾式メタン発酵プラントを開発したと発表しました。 エア・ウォーター社プレスリリース(11/25付) 「国内初の「小規模酪農家向けエネルギー自給型乾式メタン発酵システム」を開発 ~乳牛のふん尿を活用した地産池消型エネルギーシステムの構築に向けて~ 」 今回開発された技術は、半固形状のふん尿を適切に処理できる前処理設備とFRP製円筒横型の乾式メタン発酵槽を組み合わせたシステムによるものです。 技術的なポイントとしては、 麦わら(敷料)が混合した原料に対して、一切の加水をせずに原料を自動投入できる設備を新規開発 ポンプ式撹拌機を備えたFRP製の円筒横型発酵槽を用いた乾式メタン発酵装置を適用。小型化や低コスト化を実現 といったところが挙げられます。   発生したバイオガスは (さらに…)

【令和2年度】バイオマス産業都市が新たに選定されました

2020年12月23日、農林水産省は、令和2年度の選定プロセスを経て、新たに4都市をバイオマス産業都市に選定したと発表しました。これで、バイオマス産業都市に選定された地域は合計94市町村となりました。 バイオマス産業都市の選定地域(令和2年度時点、合計94市町村)  出典:農林水産省 バイオマス産業都市選定地域(令和2年度)構想の概要(農林水産省)   今回新たに選定されたのは、 北海道湧別町 秋田県大潟村 三重県多気町 三重県南伊勢町 の4町村です。 注目すべきは、これらすべての地域において、”バイオガス発電”がキーテクノロジーとして位置付けられており、かつそれぞれ新しいチャレンジが組み込まれていることですね。   北海道湧別町では、消化液の一部をサロマ湖に散布する、という試みを行うようです。 私たちも、これまで「消化液を湖や海域に海藻や漁場づくりの肥料として撒けない (さらに…)

家畜ふん尿由来のバイオガスをメタノール(CH3OH)とギ酸(HCOOH)に変換する新技術!

本コラムでは、以前に北九州市立大学 天野 准教授らの研究グループがメタンからエタンと水素に変換するプロセスを実証したことを紹介しました。 今回、同じようなメタンからの物質変換技術として、大阪大学の大久保 敬教授らの研究グループが、バイオガスからメタノールとギ酸を常温・常圧で変換する技術実証を世界で初めて成功しました。 家畜の糞尿からメタノール生成 阪大と北海道・興部町 乳牛などの家畜の糞尿(ふんにょう)が発酵する際にできるバイオガスから、燃料や樹脂などの原料となるメタノールを生成することに成功したと、北海道興部町と大阪大先導的学際研究機構の大久保敬教授(光化学)が16日までに発表した。大久保教授によると、糞尿由来でメタノールを製造したのは世界初といい、畜産業の新たな収益源として期待される。発表によると、大久保教授らはバイオガスに二酸化塩素を混ぜて光を当て、メタノールとギ酸を生成したという。 (さらに…)

バイオガスってナ~ニ?

バイオガスの歴史は意外にも古く、“ボルタの電池”で有名な物理学者アレッサンドロ・ボルタ(Conte Alessandro Giuseppe Antonio Anastasio Volta、1745年2月18日 – 1827年3月5日)が可燃性ガスについて1776年に報告をしたのがそのはじまりです。 「アレッサンドロ・ボルタ」 ボルタは、沼に発生する可燃性のガスが水素と違う物質であることを発見し、このガスを電気火花で燃焼させる実験を行いました。 意外にもわたし達の身近なところにある、古くて新しいバイオガスが、新しい人類の未来を切り拓いてくれるかもしれません。ともすると厄介者であったり気にも止めていないものが、人々の救世主や明るい将来の宝として輝いてくれることは良くあることです。 本コラムでは、バイオガスのAからZまで、その可能性と将来性を少しづつひもといていきたいと思っています。 バイオガス (さらに…)

メタン(CH4)をエタン(C2H6)と水素(H2)に変換する新技術!

バイオガス化は、太陽光や風力といったその他の再エネ電源と異なり、「バイオガス」や「メタンガス」という物質を再生可能エネルギーとして生産する技術です。 もちろんその発生したガスを利用して発電利用することもできます。でも、それらのガスを活用して、これまで化石燃料から生産していた、より付加価値の高い資源や工業材料を生産することができればどうでしょう。 バイオガス化は、他の再エネ電源とは全く違う形で持続可能な社会実現に貢献できる可能性がある、とても魅力的な技術に昇華することができます。 2019年1月に、そのカギとなる技術がJST(科学技術振興機構)と北九州市立大学との共同でプレスリリースされました。 JST戦略的創造研究推進事業において、北九州市立大学 国際環境工学部の天野 史章 准教授らの研究グループは、室温においてエネルギーの低い可視光を利用してメタン(CH4)を一段階でエタン(C2H4)と (さらに…)